クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第103弾 – トルコ 2013年10月07日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第103弾 – トルコ 2013年10月07日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

イスタンブール、ボスポラス海峡第三の橋

毎日55万台もの車両が二本の橋を行き来しているイスタンブールボスポラス海峡の交通渋滞を緩和するため、第三の橋の建設が始まった。
今年5月29日、オスマン朝のイスタンブール征服の日に「ヤヴズ・スルタン・セリム橋」と名づけられた海峡第三の橋は、北マルマラ自動車道・プロジェクトの一環として、トルコのICイチタシュ・ホールディングとイタリアのアスタルディ社が、これまでの2本の橋のさらに北側に建設する。

建設費用の計画的回収

ICホールディングス社長、イブラヒム・チェチェン氏は、この第三大橋への投資は、4分の1を橋そのものの通行料金から、その他は橋への接続道路から回収する予定であると発表した。1日13万5千台の通行を財務省から保障されており、それ以下になった場合は差額を省が支払うことになっている。ボスポラス海峡第二の橋であるファーティフ・スルタン・メフメット橋を通っている大型車両を強制的にこの第三橋へ送るため、この数を下回ることはないと見られている。トレーラー一台から普通車両5台分の料金を徴収するので、普通車両の通行料金は3ドルと設定されており、トレーラーは15ドルとなる。13万5千台を超えた場合には通行料の引き下げも考えられる。橋の通行料以外にも、接続道路からも1kmあたり8セントの料金設定が考えられている。今のところ一ヶ月5千万ドルの収入が予想されており、2015年から10年間で60億ドルもの収入が見込まれていることになり、本プロジェクトに投入される45億ドルの費用を楽に回収できる。45億ドルの2割は自己資金で、残りはアク銀行、ガランティ銀行、イシュ銀行、ヤプクレディ銀行などの大銀行から融資を受けた。金利については銀行との間に守秘契約が結ばれているため、明らかにされていない。

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両大陸の架け橋

建設期間はエルドアン首相との間で24ヵ月と決められているが、法的な許容期間は36ヵ月である。橋の両端にはレストランが設置され、車道だけでなく歩道も設けられる。完成すれば幅が59メートルと世界で最も幅広のつり橋となる。海峡にかかる部分の長さは1408メートル、高さ320メートルとなり、橋上には鉄道も通る予定である。オリンピック誘致にもネックとなっていた交通渋滞がこれで緩和できるかはわからないが、少なくとも鉄道網が両大陸に設けられることによって、トルコは名実ともに「ヨーロッパとアジアの架け橋」となる。

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