クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第104弾 – トルコ 2013年11月22日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第104弾 – トルコ 2013年11月22日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

メーカーの集積地、トルコのカイセリ

古くからの交易地、カイセリの発展

トルコのほぼ中央に位置するカイセリの町は5000年もの貿易の歴史を持つ、キノコ岩で有名なカッパドキアにほど近い、人口130万人弱の大都市である。トルコ共和国成立直後の1926年には航空機工場が設立され、アンカラからの鉄道も敷設された。カイセリからは毎日国内便が35便、国際便が30便運行している。イスタンブール乗り換え便を含むと国際便は95便となる。鉄道や幹線道路を使って黒海や地中海の港へアクセスも容易である。こういった地の利から、カイセリは周辺15県のロジスティックセンターとなっている。シルクロード上に位置していたことから、産業ははじめ繊維業から始まったが、その後地方の特産物サトウダイコンのための砂糖工場が建てられ、最近では機械工業も盛んになっている。年間の輸出額は昨年で16億米ドルであり、10年前に比べると4倍になっている。主な輸出先はイラク、ドイツ、イタリアについでアメリカで、主な輸出品は家具、金属製品、テキスタイル、家電、化学、プラスチック製品、健在、食品であるが、輸入品目はメタルシート、テキスタイル原料、化学プラスチック原料などで、その半分以上がスイスからである。この発展ぶりを虎にたとえて、日本の投資家の間でカイセリは「アナトリアの虎」と呼ばれる。

奨励制度

最近政府が発表した外国人投資家への奨励制度では「第2地域」に指定されており、最低100万TL(50万USD)からの投資と少額になっているが、これはカイセリのほとんどの企業が中小企業であるためであろう。付加価値税と関税が免税、投資分野により従業員の社会保障保険料の支払いに補助が得られる。2014年以前に投資を開始すれば所得税に55%、それ以降では40%の免税が適用される。

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3箇所の工業団地

カイセリには現在3箇所の工業団地がある。最も歴史が古く大規模なのが、1976年に設立されたカイセリ工業団地で、2,350万平方メートルもの敷地を有し、操業している工場の数は1200以上に上る。土地代はm2あたり30-45ユーロで、電気料金はKWHあたり0.08ユーロ。次に大きいものが1998年設立のミマル・スィナン工業団地で、610.4万平方メートルの敷地に378件の工場が入っている。こちらの土地代は1平方メートルあたり17ユーロで電気料金はKWHあたり0.08と、カイセリ団地よりも安くなっている。3つ目はインジェス工業団地で、前述の2箇所がカイセリ中心地からわずか12-14kmの距離に位置するのに比べ、50km離れている。しかしその分土地代が安く、1平方メートルあたり8ユーロである。総敷地面積は610万平方メートルで、電気料金は前述の2箇所よりやや高めでKWHあたり0.085ユーロとなっている。現在のところ目だった外国企業の進出はないが、カイセリの産業会議所では外国企業の誘致に力を入れている。

※写真出典元:カイセリ産業会議所

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